いぬぼくの2巻、というか8話を繰り返し読んでいて次巻へ進めない。もう最終回ですかというよりなんかもう世界終わってもいい気分。まあ「本当の自分」とやらには懐疑的なのでそこで引っ掛かりを覚えているような状態ではあるのですけど。

(...)男がネット上で女を騙ったところでそこに現れるのは女を騙っている彼の姿でしかない(無論この場合相手がそれを信じているかどうかは関係ない)。約言するにどんなにポーズを決めようとも客はそのポーズまでを含めた全体を見てしまうのであり、従ってネットでの嘘はバレるバレない以前にそもそも吐くこと自体が不可能だとさえ言えるだろう。勿論それは倫理的にシビアな意味ではなく、自分という人間が他人には自分で思っているのとはまるで違った姿で見えているという単純な現実に過ぎないのだが、まあそれはそれで十分シビアだが、ともあれ誤魔化しが効かないという事だけは確かだ。(アシュタサポテ)


 貴方が錯覚だと思ったそれでさえも本当の自分じゃないんですか、或いは本当の自分こそが錯覚でないと誰に言えるのでしょうか、とか。僕は嘘を吐いていた双熾も嬉しくて愛おしいんですよ。